受賞作品
8月22日行なわれた、第1回カラフルフォトリンピックの撮影会の受賞作品を表彰いたします。受賞者の皆様おめでとうございます。また、たくさんのご参加ありがとうございました。
金賞
近藤 櫻仁
小さな世界
私はこのプロジェクトに参加し、障がいは個性であると改めて認識しました。
カメラ初心者である私は撮影会前、どのようにモデルたちと接していくべきかとても悩んでいました。どうしたら楽しんでもらえるか、どうしたら彼ららしさを引き出した写真を撮影できるか。不安は全く尽きませんでした。
しかしいざ撮影が始まると、私は彼らの笑顔やエネルギーに圧倒されました。外に出て沢山走り回ったり、音楽を聞いて笑顔になったり。私たちカメラマンが特別なことをしなくても、彼らは既に一人一人が個性を包み隠さず、めいっぱい目の前のことを楽しんでいました。そんな彼らを見ていると、自然と肩の荷が軽くなって、楽しんで撮影することが出来たのを覚えています。
そして私がもうひとつ印象的だったのは、モデルの子同士の関わりです。モデルの子たちはそれぞれ持っている障がいの種類や重さが全く違います。それでも、友達を作って仲良く遊んで、自分なりの楽しみを見つけて仲間と分かち合っていました。私にはその様子が、まさに誰もが目指している平等で尊重し合う世界だったように思えてなりませんでした。
レンズ越しに見えるのはとても狭くて小さな世界です。きっとモデルたちの世界も関わりも小さいものでしょう。でもそこには、個性を尊重し合う優しい小さな世界が確かに存在していました。私はその世界の美しさがほんの少し羨ましくなり、夢中にシャッターを切り続けました。
作品を選ぶうえでも、私はその感覚を大切にしました。写真としての出来はもちろん、モデルたちの個性に寄り添えているか、その作品を見たときに何を思うかを目一杯想像して、この写真を選出しました。この作品を通して、たくさんの人にその世界を体験して頂けたら嬉しいです。
講評:田中秀幸
銀賞
舩木 レイ
今回の学び
この度、カラフルフォトリンピックに参加させていただいて、新たな世界を発見することが出来ました。これまでの撮影の対象は、同級生や年齢の近い人、家族や友達となどの知っている人に限られていましたが、初めて、子供たちをモデルにしました。
当初、障がいを抱えていると聞いていたので、少し不安や緊張はありましたが、障がいということについては取り越し苦労に終わり、それ以上に「子ども」を被写体にする難しさを痛感しました。同じところに留まってくれないこと、最高の表情が撮れたとしても背景で不要なものが写りこんでしまっていることなど、いつもの撮影では感じたことのない苦労を経験できました。
今回、エントリーした作品は、絶好の魅力的な表情と、背景とのバランスよく収まった作品です。作品全体テーマにしたことが「動き」です。写真をご覧くださる方に臨場感を感じてもらいたく撮影に臨みました。また、会場全体が楽しい雰囲気でしたので、見てくださる方に楽しい雰囲気が伝わる作品をチョイスしました。
講評:上田耕一郎
銅賞
茅根 鈴颯
ありのままの姿
今回はありがたいことに記念すべき第一回のカラフルフォトリンピックに参加させていただきました。 普段触れ合う機会がない障害を持った子供達と趣味であるカメラを通じて触れ合えるという自分にとって大きな体験だったと思います。
そのため最初はかなり不安が大きかったのですが、実際に子供たちや保護者さん方との交流を交わしてみるとそんな事は全くなくキッズモデルの子から手を繋いでくれたり、話せなくても声をかけてあげると笑顔や声に出して反応してくれたりとたくさんのコミュニケーションを取りながら撮影を楽しませていただきました。
また、普段人物撮影をする時はポーズを取った状態で笑顔で撮るという形が主流だと思いますが、今回のカラフルフォトリンピックで重視されてる「ありのままの姿の魅力」というキッズモデルたちのありのままをカメラに写してみる事で私自身にとっても新しい発見でした。 あの子たちは”障害”という大きなものを抱えていますが私たちにそれを感じさせないくらいみんな素直で元気いっぱいでかわいい子達でした。
帰り際にグループで一緒になったキッズモデルとそのご家族に会った際に「今日どうでしたか?」と質問され「普段こうやって障害を持った子供達と触れ合う事がないのですごくいい機会でした」と答えるとお母さんの方からも「普通の学校を経験してない私たちからしてもいい機会でした」と答えていただき嬉しかったです。
また、別のご家族からは「12月にまた会おうね」って声をかけて頂きすごく温かったです。 それからまた12月にキッズモデルと保護者さん方に会えるのが心から楽しみです。
私はもう今年で高校3年生のため来年からは参加出来ないのがとても残念ですが、今回経験できたことを誇りに思いこれからの社会で活かしていきたいと思います。
講評:葛谷舞子
上田 耕一郎賞
近藤 櫻仁
小さな世界
私はこのプロジェクトに参加し、障がいは個性であると改めて認識しました。
カメラ初心者である私は撮影会前、どのようにモデルたちと接していくべきかとても悩んでいました。どうしたら楽しんでもらえるか、どうしたら彼ららしさを引き出した写真を撮影できるか。不安は全く尽きませんでした。
しかしいざ撮影が始まると、私は彼らの笑顔やエネルギーに圧倒されました。外に出て沢山走り回ったり、音楽を聞いて笑顔になったり。私たちカメラマンが特別なことをしなくても、彼らは既に一人一人が個性を包み隠さず、めいっぱい目の前のことを楽しんでいました。そんな彼らを見ていると、自然と肩の荷が軽くなって、楽しんで撮影することが出来たのを覚えています。
そして私がもうひとつ印象的だったのは、モデルの子同士の関わりです。モデルの子たちはそれぞれ持っている障がいの種類や重さが全く違います。それでも、友達を作って仲良く遊んで、自分なりの楽しみを見つけて仲間と分かち合っていました。私にはその様子が、まさに誰もが目指している平等で尊重し合う世界だったように思えてなりませんでした。
レンズ越しに見えるのはとても狭くて小さな世界です。きっとモデルたちの世界も関わりも小さいものでしょう。でもそこには、個性を尊重し合う優しい小さな世界が確かに存在していました。私はその世界の美しさがほんの少し羨ましくなり、夢中にシャッターを切り続けました。
作品を選ぶうえでも、私はその感覚を大切にしました。写真としての出来はもちろん、モデルたちの個性に寄り添えているか、その作品を見たときに何を思うかを目一杯想像して、この写真を選出しました。この作品を通して、たくさんの人にその世界を体験して頂けたら嬉しいです。
講評:上田耕一郎
勝倉 崚太賞
堀澤 天音
撮影会を通して感じたこと
撮影会を終えて思うのは、想像以上に楽しかった。
私は高校三年生なので、来年以降は参加できないのが残念だ。
今回自分で応募したのだが、正直、障害がある子をモデルにするのは大変なのではないかと身構えてしまった。でも、そんな心配は必要なくて、むしろ1日楽しませてもらった。モデルさんは撮影中に予測できない動きをしているから追いかけるのは大変だったけれど、笑顔が垣間見れるのが嬉しかった。笑い声が聞こえてきたり、楽しそうな表情を浮かべているのを見ていると、自分も思わず笑顔になった。
当日はモデルさんのご家族にご協力いただいた。モデルさんに声をかけて、カメラマンが撮影しやすい環境を作っていただいて、集中して撮影を行うことができた。 一方で、その声かけを率先してやるべきだなと、反省もしている。わからないなりに自分のできることをすることが大切で、それは撮影会だけではなく、日常生活にもいきてくるなと思う。自分も、他者も、声をかけ、聞くことが大切だから、自ら積極的に声をかけられるようになりたいと思った。
モデルさんはみんな可愛かったし素敵だった。子供らしい無邪気な姿が“障害の有無なんか関係ない”そう語りかけてきた。障害があるとどんな生活を送っているのか、まだまだ知らないことだらけで、きっと、1日ではわからない、大変なこともあると思う。だけれど知らなければ始まらない、だからこそフォトリンピックのように、少しでも関わり合い知っていくことが大切だと思う。当日車椅子をみんなで運ぶとき、撮影を担当したあおいちゃんのお母さんが、“申し訳ないな”と言っていたけれど、できること、できないことがあるのは誰もが同じだから、誰もが遠慮せず生きていける社会になることが必要だと思う。
最後に当日はカメラマンもモデルもご家族も、その場にいた誰もが思わず笑顔になるような瞬間がたくさんあった。そんな瞬間を作品に映る笑顔を通して感じ取ってもらえた嬉しい。
講評:勝倉崚太
葛谷 舞子賞
おおきたえいと
撮影会を終えて。
今回、撮影会に参加させていただくまで、障害をもったカラフルモデルのことを、「障害をもっていて可哀想だ。」と思っていました。しかし、その考えは間違っていると、今回の撮影会を通して気づくことができました。カラフルモデルたちは障害を持ってしまっていても1人の人間として、懸命に、生きている。その片鱗をカメラを通して感じられたからです。車椅子に乗った少女や自由気ままに走りまわったり、言葉を話すことのできない少年。彼らは自分よりもはるかに困難に直面することが多いはずなのに、それでも笑顔で生きていく彼ら、彼女らは僕の目には輝いて写っていました。
タイトル:これかな~?
ひたすら走り回っていた彼は、自分には何かを探しているかのように映った。さまざまな楽器を触り、音を確かめる。ひたすら楽器を叩き、振り、音を鳴らす1人オーケストラを開催し、悩んでいる彼はもがきながらも必死に自分を探しているようだった。
講評:葛谷舞子
田中 秀幸賞
北川 仁胡
ありのままの姿
今回カラフルフォトリンピックに参加させていただき、たくさんの気づきや童心に戻る感覚を得ることができました。
最初は、写真を撮るということに集中しすぎてしまい、モデルさんたちに上手くフォーカスを当てることができず、どうすれば良い写真が撮れるんだろうと悩んでいました。ですが、周りの高校生カメラマンの皆さんが、モデルさんたちと一緒に遊びながら写真を撮っている姿を見て真似してみたところ、自分自身も童心に戻ることができ、モデルさんたちの自然体の写真を撮ることができました。帰りの新幹線の中で撮った写真を見返していると、楽しくなりすぎてブレてしまっている写真が多数見つかりましたが、それもまたモデルさんたちと遊びながら撮った私たちのありのままの姿なんだということに気付きました。そして、楽しく遊びながら写真を撮ることによって、様々なものに関心を寄せる子どもたちの写真を撮ることの難しさも学ぶことができました。約500枚撮った写真から3枚抜粋させていただいたのですが、どの写真にも笑顔が溢れていており、見ていてとても癒やされる写真になっています。参加したモデルさんの中には言葉を発することが難しい方も居ましたが、私は、言葉を発することだけがコミュニケーションの手段ではないと考え、体や表情を使ったコミュニケーションを意識しながら撮影しました。モデルさんたちとの出会いはもちろん、同世代の同じ趣味を持った高校生カメラマンの皆さんともたくさん話すことができ、とても楽しい時間を過ごすことができました。
このコンテストに参加させていただいたことによって、障害の有無にかかわらず、みんな同じ『人間』であることに変わりないんだということをより実感することができ、皆平等な世の中にしていきたいといった気持ちが強く表れました。
講評:田中秀幸
西武信用金庫賞
福崎 大貴
写真を通じて
私は写真部の仲間と2人で、「カラフルフォトリンピック」に参加しました。写真部で「このコンテストに参加すれば写真が上達する」と勧められたのが参加の理由です。普段とは異なる環境での撮影を通して、新たな視点を得る機会として挑戦しました。撮影場所は千葉の元女子校で、障害を持った子たちと一緒に過ごしながら、さまざまな瞬間をカメラに収めました。
当日、まず私たちは教室で子どもたちと短い時間ですが会話をしました。彼らの素直で明るい笑顔に私たちもすぐに打ち解け、和やかな雰囲気の中で交流ができました。その後、子どもたちは各自が好きな場所へと移動し、私たちもそれぞれの瞬間を捉えるためにカメラを構えました。
私はまず校庭に向かい、遊んでいる子どもたちを撮影しました。彼らが手を取り合って楽しんでいる姿は、純粋で温かく、そこには心を引きつける力強さがありました。音楽室などで撮影している時、見たことない楽器ばかりでワクワクしていたと思います。
そして、最後にみんながプールに集まりました。子どもたちは水しぶきを上げながら無邪気に遊び、笑顔で楽しんでいました。太陽の光が木に当たって、木漏れ日になっていた所を撮った時や、校庭に差し掛かる太陽の光の瞬間などを撮れた時の喜びが今でも印象に残っています。
このコンテストでは、各自が自分で撮影した写真を選んで提出します。私は、自分が感じた一番特別な瞬間を選びました。写真を通じて、その瞬間の感情や雰囲気が見る人に伝わることを期待しています。
「カラフルフォトリンピック」を通じて、写真の技術以上に、被写体との心の交流や瞬間を大切にすることの重要さを学びました。今後も様々な交流に参加し、コミュニケーション能力や技術を磨き腕を上げていきます。
講評:西武信用金庫 理事長 髙橋一朗
新 信子賞
坂本 晶
多様性の「楽しみ」
最初学校のパティオで撮影を始めるとき、私は楽しみな感情の反面少し緊張していました。それは今まで人をモデルにして写真を撮った事がなかったからです。
自分は撮影会の前の期間はモデルの子どもへの声がけについてよく考えていました。どんな言葉をかけるのが一番ベストか幼い子どもに怖がられず楽しんでもらうにはどうすればいいのか、また前日にはうさぎの人形を相手に声をかける練習までしていました。
一方で当日になってみると楽しみのが強くなりモデルの子達も無邪気に遊んで心配していたことは気にすることもなくあっという間に撮影時間が終わりました。 そして今回の撮影会を通して私は「モデルのみんなもやっぱり普通のかわいい子どもだなあ」と感じました。元々私はカラフルオリンピックはダイバーシティーというタイトルの活動であっても実際はかわいい子供たちとのふれあいの機会という認識でした。モデルのみんなはパティオでも音楽室でもプールでも無邪気に遊んでいて楽しそうで、ふといつも座ってばかりで足腰が家のおばあちゃんのようにもろい自分だとあんなに楽しめないと思ってしまいました。
そして後で撮った写真を見返してみるといい写真がありすぎて3枚写真を選ぶことを忘れて何周も写真を眺めていました。そんないい写真の中から選んだ3つの写真には「楽しさ」「好奇心」の感情があります。ここでの楽しさや好奇心というのは喜びや達成感からの楽しみではなくランナーズハイのようなもので何かに集中して周りが見えなくなるような「楽しさ」「好奇心」のことです。またその楽しさから今回のカラフルオリンピックのようなダイバーシティーが広まって欲しいと思いました。
講評:新信子
秀作
池田 美来
写真を通して
撮影会でモデルさんの成長やがんばりを垣間見れたこと、思い出ができたこと、ありのままの自分でいていいと思えたことが、とてもうれしくいい経験になりました。
そのためこの素敵な思い出を写真ごしに共有したいと思いました。
あさくんは最初緊張していました。けれどしだいに大きな声で笑って撮影を楽しそうにしてくれたこと、「あさくーん!」と呼びながら手を伸ばしたらタッチしてくれたこと、とてもうれしかったです。
れいじくんとは音楽室の椅子を上げたり下げたりという遊びをいっしょにしました。はりきっていっしょに遊んでくれて、とてもうれしかったです。
みさきちゃんは「おねーちゃーん!」と呼んでくれたのがうれしかったです。苦手なプールにすこしつかっていて、すごい感動しました。
ゆきとくんは最初怖がっていた水で発射するロケットのおもちゃを、触って遊べていました。やっとの思いでロケットが発射できたとき、うれしさのあまりシャッターを切るのを忘れてしまいました。
私も軽度ですが発達障害と感覚過敏、境界知能をもっています。周りの目を気にしてめまいで吐き気がするまで苦手な音を我慢していましたが、「ありのままでいい」と思えたことが少し楽になりました。 撮影会ありがとうございました。
落合 真央
個性
今回は貴重な体験をありがとうございました。
私は今までボランティア活動にあまり参加したことがなくほぼほぼ初めての活動でうまくできるか心配でしたが、モデルの子達の笑顔を見ていると自然とリラックスしていて とても楽しかったです。
撮影会ではモデルの子達は1秒1秒考えてることが違く、一枚一枚が違う写真で、それぞれに モデルの子達の個性が出ていてとてもいい写真がたくさん撮れました。 話は少し変わりますが、私には生まれつき耳が聞こえづらいいとこの女の子がいます。
私が小学3年生の時、久しぶりにその子に会うことになり私は正直言葉が余り通じないので、どうやってコミュニケーションを取ればいいかわかりませんでした。 けれど、実際にその子に会ってみるとその子はおぼつきながらもはっきりと私の名前を呼びながら抱きついてきてくれました。私はその時決して言葉が通じなくてもコミュニケーションを取ることは不可能ではなく、コミュニケーションに正解はないと感じました。今回のボランティアではその貴重な体験を思い出させてくれました。モデルの子達には言葉が通じない子達もいたけれど私が話すと、ニコニコの笑顔で拍手をしたり、嬉しそうにジャンプしたりとたくさんのジェスチャーをしてくれました。
作品に込めた思いは、たくさん撮った写真の中でも特にモデルの子達の個性がたくさん出ていたり、本当に楽しそうに遊んでいる場面が1番表れている写真を選びました。
今回のボランティア活動を通して、これからの社会にもっとより多くの障害者の人との関わりを持つことができる活動が増えるべきだと改めて感じました。
ありがとうございました。